2025/04/18 2025/04/18
【U-12(小学5・6年生)】「自立」と「理解」が成長を加速させる|学年別指導方針
小学校高学年は、心も体も大きく成長し始める「大人への入口」ともいえる時期です。
これまで素直に話を聞いていた子どもたちが、時には反発したり、口数が少なくなったりと、一見扱いづらく感じることもあるかもしれません。
でもそれは「自立心」の芽生えでもあり、内面の成長が始まっているサインです。
また、技術的にもグンと伸びる時期であり、「できること」が一気に増えていきます。
その成長にあわせて、単調に見える基礎練習の意味や、チームとしての戦い方の必要性を、しっかりと“説明して理解してもらう”ことが大切になってきます。
心理的特徴と指導のポイント
U-12(5,6年生)
・子どもたちとのコミュニケーションがますます重要になる
・子どもたちのサッカーレベルの認識
・単調な練習についても、その必要性をしっかり説明すること
・個人技術の急速な成長に合わせて、チーム戦術への移行も意識
・負荷をかけた練習で集中力と体力を引き出す
年代の特徴と指導要項
【心理的特徴】
-
心理的にも肉体的にも「大人への入口」
・精神的に不安定になる時期
・あまりしゃべらなくなったり、反発したりすることも
→ 子どもたちとのコミュニケーションがより大切になる
→ 子ども扱いせず、一人の人間として信頼関係を築くことが重要 -
達成感や充実感への欲求
・チャレンジする意欲はあるが、うまくいかないとあきらめてしまう傾向も
→ 子どもたちの技術レベルを適切に認識すること
→ 「できること」「できないこと」の境目を明確にし、練習に飽きさせない
→ 試合では「やりきる気持ち」「1対1で勝つ意識」を育てる -
集中力の向上
・長時間集中できるようになる
→ 単調に見える練習でも、その意義をしっかり伝える
→ 「なぜやるのか」を理解することで、取り組み方が変わる
→ 基礎技術練習(リフティング、パス、ドリブル、シュート、ファーストタッチ)+チーム戦術(オープンスキル)
【身体的特徴】
-
ゴールデンエイジ
・技術習得のピーク時期
→ 見たものを素早く吸収できる
→ それを最大化するためには、これまでの神経系トレーニングの積み重ねが必要
→ 技術練習だけでなく、判断力や戦術的理解も重視
→ ディフェンスの知識やコーディネーショントレーニングも継続 -
体力の向上
・体力も徐々についてくる
→ 負荷のかかったトレーニングが可能に
→ ただし、成長痛などへの配慮も忘れずに
→ 練習では「制限」を設けて負荷を調整(時間・空間・タッチ数)
例:レッスン時間を長く/タッチ制限(2タッチ・ワンタッチ)/スペースを狭く設定
指導者に求められる視点
この世代では、子どもたちが「自分の意志」で取り組むための動機づけが何よりも大切になります。
ただ教えるのではなく、「なぜこれをやるのか」「どうすればうまくなるのか」を伝え、理解を得ること。
それがやる気を引き出し、「自立した選手」への一歩につながります。
個人技術からチーム戦術への移行期でもあるU-12世代。
一人ひとりの成長に寄り添いながら、チームとしての意識づけを丁寧に行っていきましょう。