小学校生活がスタートし、集団の中での生活が始まるこの時期。
子供たちは「できた！」「ほめられた！」という経験を通じて、自信とやる気を育てていきます。
サッカーを“楽しむ”ことを中心に据えながら、少しずつ集団行動やチャレンジする姿勢を身につける段階です。

心理的特徴と指導のポイント

学校生活の始まり

この時期、子供たちは家庭中心の生活から、学校という集団行動の場に適応し始めています。
新しい環境へのストレスを感じやすく、大人の“見守り”や“さりげない声かけ”が重要です。

・遊びの要素を多く取り入れた練習を行う
・「歩く」「走る」「跳ぶ」「投げる」「蹴る」「ぶら下がる」「つかまる」など、他競技の動きも取り入れる
・簡単なゲーム形式でルールや進行を楽しく学ぶ

自己主張が芽生える

他の子に負けたくないという競争心が出てくる時期。
その気持ちを否定せず、自然に表現できる環境づくりを大切にします。

・失敗してもチャレンジしたことを評価する
・コーチのフォロー（＝どんどん褒める）でやる気を引き出す
・「できた！」という成功体験を積ませる

大人に依存した仲間関係

まだ自立して物事を判断するのは難しいため、コーチや保護者の言動がとても大きな影響を与えます。

・コーチは子供にとって“絶対的存在”であることを自覚する
・言葉遣いや伝え方は、子供の目線でゆっくり・わかりやすく
・命令ではなく「一緒に楽しもう」の姿勢を持つ

集中力は続かない

集中できる時間はまだ短いため、練習メニューはシンプルでテンポよく。
飽きさせずに楽しく体を動かせるように工夫しましょう。

・リフティング、ドリブル、キックなどの基礎練習＋リレーなどの対抗形式を組み合わせる
・「もっとやりたい！」と思わせるような楽しいメニュー設計を

身体的特徴と運動のポイント

体型の変化

体つきが“幼児体型”から“児童体型”へと移行し、より活発に体を動かせるようになります。

・ボールを足だけでなく体全体で扱う練習を取り入れる
・様々な運動で基礎体力を高める

神経系の発達（プレ・ゴールデンエイジ）

すでに神経系の発達は90％以上に達し、今後のスキル習得の土台がつくられる時期です。

・フットワーク、バランス感覚、リズム感を鍛えるコーディネーショントレーニングを積極的に
・ブラジル体操などで楽しく運動能力を刺激する

指導者として大切にしたいこと

この時期の子供たちは、目の前の“楽しい”や“ほめられること”に素直に反応します。
練習メニューは「できた！」を引き出せるような構成にし、成功体験を積み重ねることが最優先です。

・子供の変化や反応に敏感になる
・一方的に教えるのではなく、“一緒に楽しむ”姿勢で
・たくさんの「いいね！」をプレゼントして、自信を育てよう