JFAアカデミーで取り入れている「コミュニケーションスキル講座/言語技術」について


 サッカーは刻々と変化するゲームの中で、瞬時に状況を見極め、相手選手やチームメイトの動きを把握し、自ら考え、判断し、それをプレーに反映させていくスポーツです。ですから、指示待ちではダメ。サッカーをする上でも、論理的に考える思考力やコミュニケーション力は欠くことはできません。そして、その能力は、日頃から論理的に考え、発言する習慣をつけていかなれければ、身に付けることができません。


 JFAアカデミーの授業で取り入れているものをいくつかご紹介します。


問答ゲーム


相手の様々な質問に即座に答えるもので、論理的思考を鍛えながら、言語技術を習得していくものです。例えば、こんな感じ。

A:「あなたはサッカーが好きですか?」

B:「はい、好きです」

A:「なぜ好きなのですか?」

B:「ドリブルで何人も相手を抜いていく時やゴールを決めた時は達成感や爽快感が得られますし、チームメイトとともに勝利を目指すことでいろいろなことを学ぶからです」

A:「サッカーをするときに心がけていることはありますか?」

B:「チームワークとフェアプレーを心がけています」

A:「それはなぜですか?」

B:「サッカーは、チームでゲームを組み立てていくスポーツで、選手個々の能力も必要ですが、組織力というものも重要だからです。フェアプレーはスポーツの原点で、汚いことをして勝ったとしても意味がないですし、フェアで強い選手こそが一流だと思うからです」


再話


 登場人物、話の展開、結末を変えてはならないというルールのもとに、耳で聞き取ったテキストの内容を、決められた時間内にできるだけ正確に文章にまとめるというもの。書いた文章はそれぞれ生徒同士で交換して内容を検証します。次にそれを400字、200字と文字を制限して要約していきます。


絵の分析


 文字通り、ある一枚の絵を見ながら客観的な情報を取り出し、それを理論的に説明するというもの。季節や時間などの設定、人物状状況など絵に隠されているストーリーを読み解いていきます。


大人でも難しい


 以前、コーチ仲間で試した事がありますが、これが意外と難しい。いかに自分が日々、考えずに行動しているか、人と話すにしても適当に単語や短い言葉でやり過ごしているかってことを気づかされました。JFAアカデミー福島校の初代スクールマスターの田嶋幸三さんが、「自分で考えることが習慣づいている選手とそうでない選手は、長い時間の中で雲泥の差がついてしまいます」と話しているように、論理的思考がサッカーにも大いに役立つというわけです。


 母 :「おかえり。今日の試合、どうだった?」

 息子:「別に」

 母 :「活躍したの?」

 息子:「ビミョー」


 毎日こんな会話をしていませんか?大人の我々から意識を変えていきたいですね。



[ JFA TODAY : 2012/12/08 論理的思考が、サッカーのスキルアップをもたらす~JFAアカデミーのコミュニケーションスキル講座/言語技術~ より引用 ]

すべては、子供達の為に!